バローレック社が、迅速で自動化された財務計画のパイプラインを構築

パイプ状製品の大手メーカーは、Anaplanを使ってFP&Aプロセスを合理化し、時間やリスクを削減しながら実用的なデータを経営陣の手元に届けています。

力強い事業パフォーマンスを可能にし、持続可能な運営を支えるため、シームレス パイプのメーカー、バローレック社(Vallourec) のアナリストたちは、プロジェクトごとに最適な財務計画プロセスを構築しています。Anaplanを使って主要な財務計画プロセスを合理化および自動化することで、Vallourec North Americaでは年間で3,000時間の削減と、データ入力間違いのリスク軽減を実現しました。さらに、役員たちは、直感的なアプリを使い、企業全体の計画に集中できます。

自動的に主要なメトリクスを取得するAnaplanアプリを活用することで、役員たちは新たな機会を探り、より良い業績を目指すために計画を調整きます。
トーマス・ゴーション(Thomas Gauchon)氏, マス プロダクション ノース アメリカ担当、財務およびコントローリング部門ディレクター

3,000

時間(年間)の時間短縮が実現したことで、財務アナリストがより価値の高い仕事に集中できるように

5

秒で主要な財務データを特定できるAnaplanソリューションが、データに基づくより迅速な意思決定を可能に

 

 


バローレック社は鋼管ソリューションを専門としています。その製品は世界中で使用され、油やガス、水を住宅や企業に届けています。エネルギー業界の大手サプライヤーとして、米国のバローレック社は、環境にやさしい低酸素社会の実現に焦点を当てており、2025年までに自社の二酸化炭素排出を最大45 %削減するという目標を掲げて尽力しています。

 

バローレック社は、ユニークな顧客仕様に合わせて製品を製造し、景気循環の影響を受けながら事業を運営しています。そのため、財務チームは、毎月すべての予測や仮説を再検討し、正確性や収益性を確かめる必要があります。このように、ゼロベース予算方式を採用することで、その効果は証明されているとはいえ、財務計画および分析(FP&A)はより複雑な作業になります。多くの個別プロジェクトに関するデータを集計して企業全体の業績を導く場合にはなおさらです。

 

長年にわたり、バローレック社のアナリストは、会社の財務レポートをすべてスプレッドシート上で作成していましたが、この方法にはいくつかの難点がありました。つまり、時間がかかりすぎること、コラボレーションの機会を妨げること、データを2次元的にしか取り込めないこと、間違いや矛盾が生まれるリスクがあることです。

 

「スプレッドシートをベースにしたFP&Aでは、当社の運営の質が向上しているか把握することは不可能でした」。マス プロダクション ノース アメリカ担当、財務およびコントローリング部門ディレクターのトーマス・ゴーション氏はそう説明します。「新しい報告期間用のスプレッドシートの準備に2日、そして予算作成には約1週間かかっていました。締め切りに間に合わせるためだけに、財務チームは頻繁に残業をしていました」

 

スプレッドシートに頼ることで、作業内容の重複や、データ入力時のミスが起こるリスクも増加しました。さらに、レポート作成の方法が標準化されていなかったために、財務チームに新しく入った社員は、実際に仕事を始める前に、部署特有の作業方法を学ぶために多くの時間を費やす必要がありました。

 

財務計画プロセスを近代化する

これらの課題を解決するため、バローレック社が選んだプラットフォームがAnaplanです。「私たちが見つけたソリューションの中でも、Anaplanの直感的なシステムや機能の豊富さは群を抜いていました」と、ゴーション氏は説明します。「Anaplanレベル1モデル構築コースをオンライン受講した後、このソリューションは私たちが求めていた機能と使いやすさを備えていると確信しました。Anaplanのトレーニング コースを通して、ユーザーがプラットフォームについて迅速に学べるという事実は大きなメリットでした」

 

バローレック社は、財務計画プロセスの標準化と財務統合の改善のため、北米3社のうち2社にAnaplanを導入しました。Anaplanのパートナー企業であるAkiliとの連携の下で構築されたバローレック社のソリューションは、同社の企業資源計画(ERP)ソリューションやその他のデータ ソースからデータを自動的に取得します。

 

「Anaplan、そしてAkiliの素晴らしいサポートのおかげで、予定より早く導入を完了できました」とゴーション氏は言います。「また、導入プロセスの一環としてチームのメンバーにAnaplanレベル2モデル構築コースを受講してもらうことで、長い目で見れば第三者のサポートを必要としない体制を整えることに成功しました」

 

大幅な効率アップを実現する

Anaplanを活用することで、バローレック社は貴重な時間を節約し、主要なプロセスを自動化し、これまでにないスピード感をもって、意思決定者の手元に実用的なデータを届けられるようになりました。「Anaplanのおかげで、重複データの削除や統合作業に費やしていた時間を、少なくとも3,000時間は削減できたと推測しています」とゴーション氏は言います。「以前は、新しいプロジェクト用のスプレッドシートの作成に数週間を費やしていましたが、Anaplanを使ってからは、新しいモデルを数秒で作成できます」。 また、アナリストが必要とするすべてのデータは自動的にAnaplanに集約されるため、重複データの削除やデータの準備作業が不要になりました。「主要なデータを5秒足らずで特定できます」とゴーション氏は説明します。「Anaplanの導入によって効率性がアップし、残業を減らせました。財務計画チームのメンバーは、より良いワークライフ バランスを手に入れたのです」

 

さらに、自動化がバローレック社での意思決定を良い方向へと導いています。Anaplanの導入前は、チームが手作業で財務レポートをまとめ、役員に提出していました。「手作業でのレポート作成には数日を要し、会議の前には締め切り直前までデータを整理していました」と、ゴーション氏は振り返ります。現在は、データ統合の大部分が自動化されました。「自動的に主要なメトリクスを取得するAnaplanアプリを活用することで、役員たちは新たな機会を探り、より良い業績を目指すために計画を調整できます」

 

ゴーション氏は、バローレック社におけるAnaplan環境を「デジタル ワークプレイス」だと表現し、財務プロセスを大きく変えたことに触れています。「チーム メンバーが各々の仕事に各自で従事するのではなく、全員が同じプラットフォーム上でつながっているのです」と、彼は説明します。「これによって部署間あるいは個人間の壁が取り除かれると同時に、アカウンタビリティが向上しました」

 

それだけではありません。Vallourec North Americaの最初の2社の成功を受けて、3社目もAnaplanの導入に乗り出しました。また、チームはこのプラットフォームを他の部署や地域にも活用しようと、その機会を模索しています。「私たちは、Anaplanがもたらした利益に非常に満足しています。バローレック社の他の部署にもこれを導入していく予定です」、とゴーション氏は結論付けます。「より効率的な財務データ管理を実現し、計画やレポート作成のワークフローを合理化し、そして組織全体での情報共有体制を改善することで、Anaplanは当社の事業目標やサステナビリティ目標の達成を支えてくれているのです」