ASK Industries 社、営業プロセスと財務プロセスの連携と調整を実現

グローバルの財務プロセスと営業プロセスを網羅したコネクテッド プランニング環境を構築したカー オーディオ OEM

カー オーディオ システム OEM の ASK Industries 社は、見積依頼 (RFQ) などの財務および営業関連のプロセスに関して、グローバルに展開しているビジネス全体で一貫性のあるプロセスを確立したいと考えていました。ASK 社では Accenture のサポートのもと、四つの Anaplan モデルを構築して連携させることでコラボレーションの強化と「what-if」分析の高速化を実現しました。財務部門の能力も向上し、増員がなくても、ますます拡大して複雑になるビジネスに対応できています。

従来は一日がかりの作業だった「what-if」分析が、Anaplan ならわずか数秒です。分析ミスの心配もありません。
Enrico Righini 氏, グループ コントローラー

10秒

以前は一日がかりだった「what-if」分析が 10 秒で完了

 

 

 

 


連携の価値はカー オーディオ システムから知ることができます。すべてのコンポーネント (アンテナ、アンプ、ケーブル、スピーカー) を連携させて調整することで、最高の性能が引き出されます。

それと同じことが、車載オーディオ機器の世界的な相手先ブランド製造業者 (OEM) である ASK Industries 社の財務および営業プロセスにも当てはまります。2018 年時点の ASK 社のプロセスは統制が取れていませんでした。各事業 (アンテナ、アンプ、ケーブル、スピーカー) や各市場 (ヨーロッパ、アジア、アメリカ) の部門ごとに独自のスプレッドシートを使用して大量のデータ処理やコピーを行っており、分析にかける時間はほとんどありませんでした。主要プロセス (投資および営業予算の編成、損益計算書や貸借対照表の作成など) はサイロ化が進み、多くの場合、各部門はそれぞれの計画業務サイクルを最初から始める必要がありました。「処理の重複や手戻りを防ぎ、期間を短縮して、正確なデータへのニーズとそれを得るための労力のバランスをとる必要がありました」とグループ コントローラーの Enrico Righini 氏は説明します。

ASK 社は、Accenture 社のチームの助言を受けつつ Anaplan プラットフォームを利用して、複数のプロセスを以下の四つの Anaplan モデルに再編しました。

  • 見積依頼 (RFQ) 及び設備投資計画 (投資予算)
  • 営業予算
  • 損益計算書予測 (損益計算書) 及び貸借対照表とキャッシュフロー計算書
  • 中長期計画 (同社では PMT と呼称)

最も顕著な変化が見られたのは、入札を作成し、財務面での影響を評価するプロセスである RFQ です。研究開発から製造、財務まで、ビジネスのすべての部門が、最初の半年で 100 件もの RFQ にデータを提供しています。各 RFQ の数百種類の可変要素に正しいデータを設定することで、リスクが最小化されます。Righini 氏は次のように述べています。「正確な数字が得られるかどうかで、収益が出る見積もりを作成できるかどうかが決まります」

可変要素には、RFQ で使用するコンポーネントの製造拠点や使用通貨などがあります。Righini 氏は次のように語ります。「当社のオペレーション、サプライヤー、お客様は世界中に分散しているため、Anaplan の通貨を変更して検討できる機能は、有利な RFQ を作成する上で極めて重要です。それまで一日がかりだった為替レート、商品動向、大口販売価格、代替案の「What-if」分析が、Anaplan を使うと数秒で実行できます。分析ミスの心配もありません」

Anaplan image

ASK Industries 社は Anaplan を使用して財務および営業 関連の計画と見積依頼プロセスの連携を図り、期間短縮、エラー及び手動作業の削減、見積もりの精度の継続的な改善を実現しています。

 

ASK 社が Anaplan で実行するプロセスが、他のプロセスへとつながります。RFQ の数値は営業予算に取り込まれ、営業予算を基に関連会社間キャッシュフローが算出され、それが損益計算書と貸借対照表に取り込まれます。さらに、損益計算書の 1、2、3 年の数値が PMT モデルに渡されます。PMT モデルは 15 年間の固定費のコスト構造を生成し、そのデータは RFQ モデルに取り込まれて、将来の RFQ の収益性評価に使用されます。統合システム全体は 1 年足らずで構築、展開が完了し、短期間で価値を実現できました。

Accenture 社グローバル Anaplan プラクティス リードの Marco Limito 氏によると、ASK 社のプロジェクトの成功の鍵は ASK 社の経営陣にあります。「ASK 社の CEO はこのシステムのユーザーの一人であり、Anaplan を使用して RFQ を承認しています」と Limito 氏は述べています。エグゼクティブ スポンサーシップは強く、あらゆるレベルのマネージャーが計画と支出を以前よりも細かく管理しています。

また、Limito 氏は、今回のトランスフォーメーションには Enrico Righini 氏の変更管理スキルが奏功していると言います。Righini 氏は Anaplan のメリットとして計画サイクルタイムが短いこと、手動での数値処理および統合のプロセス (とそれに伴うタイム ラグ) が解消されたこと、リアルタイムで「what-if」分析を実行できることを挙げています。しかし、本当のトランスフォーメーションをもたらしたのは Anaplan ベースでプロセスを刷新したことであり、今後もさらなる変革が予定されています。「Anaplan は柔軟性と拡張性が非常に高いため、既存のプロセスにさらにプロセスを連携させる計画をすでに立てています」と語る Righini 氏は、ソリューションのメリットの全容がわかるにつれて、エンド ユーザーからの支持も強まると予想しています。

Righini 氏は次のように説明しています。「計画の仮定、承認、結果のすべてを Anaplan 内で直接参照できます。ビジネスはますます複雑になっていますが、増員する必要もなく、財務分析は質量共に向上しています」

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