ユーザーの利便性と計画業務の⾼度化・効率化を両⽴

全社管理連結でデータを⼀元管理し、グループ全体の経営管理基盤を強化

1912年にポンプメーカーとして創業した⼤⼿産業機器メーカーの荏原製作所は、 現在建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電⼦の5つの分野で事業を 展開している。同社はAnaplanを活⽤して、全社管理連結のインプットデータを ⼀元管理。計画値に対する説明責任の明確化とデータ収集・分析におけるオペ レーションの形式化・効率化を実現している。


四半期単位から⽉単位で予算集計・予実分析が⾏えることで、データ分析の⾼度化はもちろん、各部⾨に向けて、より細かいフォローアップが 可能になりました。
経営企画部 経営管理課 ⾼橋 ⼩百合 ⽒

集計‧分析の⾼頻度化

予算データの集計・分析が従来の四半期単位から⽉ 単位で可能に

全社管理連結の実現

予算のExcel集計業務を廃⽌し、全社の財務諸表データを集約

説明責任の明確化

Workflow機能により、申請・承認フローを可視化し、操作履歴を管理



固定費予算管理から導⼊

荏原製作所は各部⾨の固定費予算管理を改善するために、Anaplan に注⽬した。経営企画部経営管理課の⾼橋⼩百合⽒は、従来の課題について次のように語る。「既存システムでは、収集データのダウンロードに30分程かかっていたため、修正があるたびに毎回待たされるのが本当に⼤変でした」。

2023年の Anaplan 導⼊後は、収集データのダウンロードが30秒で可能になった。また、データ集計‧分析を⽉単位に⾼頻度化できたことも⼤きなメリットだという。⾼橋⽒は、「四半期単位から⽉単位で予算集計・予実分析が⾏えることで、データ分析の⾼度化はもちろん、各部⾨への細かいフォローアップが可能になりました」と話した。さらに、各部⾨で⾃分たちの予算と実績を即座に確認できることも⼤きいという。「 Anaplan の導⼊により、閲覧範囲を絞り込むといった権限管理もしやすくなりました。今はユーザーがそれぞれの画⾯からCSVなどのデータにワンボタンで出⼒できます」と⾼橋⽒は語る。
 

全社管理連結へ適⽤範囲を拡⼤

全社管理連結では、本社ならびに国内外の⼦会社(約100社)を対象に、P L、BS、C Fデータの Anaplan での集約管理を実現している。経営管理課の⼭本⿓ 政⽒は「以前から全社で統⼀したツールでデータ収集をする構想はありました。その⾜掛かりとして、まずは固定費予算などに Anaplan を適⽤し、そこから 全社管理連結へと拡⼤したいと考えていました」と当時の状況を振り返る。

全社管理連結の実現には、全社で統⼀したツールを導⼊する必要がある。⼭本⿓政⽒は全社統⼀のツールとして Anaplan を採⽤した背景を次のように説明する。「Anaplanは、アジャイル開発で試作品をこまめに確認できたため、始めから要件定義をしすぎずに修正・確認を繰り返しながら開発できたのは⾮常にメリットでした」。

また、「既に導⼊されていた予算編成ツールと⽐較しても Anaplan は動作が軽い。ユーザーの視点でも、動作が軽いに越したことはありません」と語り、2024年から全社管理連結を本番稼働して以降、リアルタイムデータ集計・分析において Anaplan の⾼いパフォーマンスを評価している。

さらに、経営管理課 課⻑の渡辺 武志⽒は、「以前はどこかの部⾨が数字を修正するたびに、Excelのバケツリレーが発⽣していましたが、データ収集からレポー ト作成まで⼀つのツールでできる Anaplan ではその⼯数は不要です」と語る。経営管理課の⼭本 和仁⽒は、「レポート作成の際は⼀週間弱の間、作業にかかりきりでしたが、Anaplan導⼊後は⼊⼒してもらったデータをダウンロードするだけになりました。これまで複数⼈で⾏っていた作業も、今は⼀⼈でやっています」と導⼊効果を話した。
 

Workflow機能で承認プロセスを可視化

さらに同社では、2024年から Anaplan の Workflow 機能を活⽤した、承認プロセスの可視化にも取り組んでいる。渡辺⽒は、「既存システムにも承認機能はあっ たのですが、ユーザーからは不評だったため、標準で Workflow 機能を搭載している Anaplan での解決を検討しました」と導⼊理由を語る。 

また、代理申請によって説明責任が曖昧になるなどの課題も抱えており、経営管理課の布施烈⽒は、「誰が申請して、誰が承認したのかを可視化することが重要です。Anaplan であれば、ツリー構造になっているので申請と承認の履歴が⼀⽬瞭然です」と Anaplan の Workflow 機能を評価している。
 

全社展開が⾒込まれる Anaplan

今後、同社では設備投資予算についても、Anaplan を適⽤する予定となっている。また、ERPシステムの導⼊が進められており、渡辺⽒は「Anaplan にはフロントの予算⼊⼒ツールとしての役割を持たせたい」と今後を⾒据えている。 

また、情報通信統括部コーポレートシステム部会計・⼈事システム課 星⼦ 裕 ⽒は、「ユーザー⾃⾝がデータを直接⼊⼒し、必要なデータを出⼒できることが Anaplan のメリットだと思っています。また、情報収集するだけでなく、シミュレーションの機能を持つことも⼤きいです。全社的に標準化したツールを使い倒したいと考えていますので、経理や⼈事はもちろん、他の部⾨でもシミュレーション機能を活⽤できたらいいですね」とIT担当部⾨の視点で将来への展望を語った。

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