レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリー、ジャガーの各ブランドを擁する高級自動車メーカー JLR 社の本社は、英国にあり、事業を世界中に展開しています。世界展開することで、より多くの人々が JLR 車のもたらすワクワク感とラグジュアリーさを体験できます。その一方で、世界的な視点からビジネスを管理しながらも、各地域のビジネス状況に対応する柔軟性を持たなければならないという、課題をリーダーにもたらしていました。
「当社では、5 つの地域をカバーしています」と、JLR 社のAnaplan CoE (センター オブ エクセレンス) 責任者、マシュー・ディッカーソン氏は説明します。「歴史的に、それぞれの国には異なる仕事のやり方があり、そうした異なるやり方を認識しながら、同時に中央ガバナンスも確立する必要がありました。会社を前進させるために、より情報に基づいた意思決定ができることを目指していたのです」
世界的なプランニングにおける唯一の情報源
企業のデジタル トランスフォーメーションの取り組みとして、JLR 社は一元化された柔軟なプランニングのためのプラットフォームに Anaplan を選択しました。レガシー システムが間もなく耐用年数を迎えることがきっかけとなり、グローバルな需要と供給計画の導入に着手しました。そして、最初のサプライチェーン ソリューションは、予定通りかつ予算通りに提供されました。
この最初の成功に後押しされ、同社は、営業/オペレーション計画 (S&OP)、CO2コンプライアンス、販売予測、収益計画、ワークフォース計画へとAnaplan の導入を拡張しました。そして、価格設定とプロモーション、小売業者のスコアカード、マーケティング パフォーマンス管理による固定費と変動費のマーケティング支出をサポートする追加の Anaplan ソリューションを作成しました。JLR 社は、全部で十数モデルの Anaplan 環境を運用しており、今後もさらに増える予定です。
Google Cloud は、複数の Anaplan ソリューションで共有される単一のグローバル データ リポジトリに供給するデータをホストします。「唯一の情報源を入手でき、業務が非常に楽になりました」とディッカーソン氏は説明します。
組織と従業員にとってより良い結果をもたらす
「Anaplan を導入したことで、具体的なメリットがいくつか見えてきました」と ディッカーソン氏は言います。「その一つが予測精度で、短期予測の精度を 90％ 以上に高めることができました。また、JLR 社のプランナーは、Anaplan を使うことで、多くの時間を節約しています」
ディッカーソン氏は「レガシーシステムの一部として、以前はある月から次の月へとタスクを繰り越ししなければなりませんでした」と当時を振り返ります。「この作業には 24 時間から 48 時間かかっていましたが、Anaplan では、そのプロセスが 30 分で済むようになりました」。別の例では、以前は 1、2 日かかっていたある割り当てプロセスが、今ではほとんど瞬時に完了するそうです。「Anaplan Optimizer を使って、数分で済むより良いプロセスを実行しています」と同氏は指摘します。
Anaplan を導入する前、JLR 社のプランナーは残業と週末出勤を繰り返していました。プランニングのためのデータ整理に 80％ の時間を費やし、成果を改善する機会を得るためのデータ分析は、わずか 20％ だったとディッカーソン氏は言います。「今はその逆です。20％でプランニングのデータ分析を行い、後はシナリオを分析し、それを適切な関係者に提供しています。その結果、プランナーのワーク ライフ バランスは格段に向上しました」
JLR 社では今後、PlanIQ を使った計画プロセスの自動化に取り組み、さらに大きな改善を実現すると共に、5 つの地域にまたがる一元的なガバナンスの取り組みを続ける予定です。
「Anaplan の導入を通じて私が最も誇りに思っていることは、多くの人がその価値を実感できたことです。押し付けることなく有機的に成長しています。使用した人々は概して、シンプルなシステムが大きなメリットをもたらすことに驚いています」とディッカーソン氏はコメントを締め括ります。
