過去最高益
在庫管理の一元化により、過去最高益を達成
75%
市場在庫可視化率75%を実現
25%
SKU最適化の取り組みにより、SKU数25%削減
オムロンヘルスケアは、オムロングループにおいて、血圧計や体温計と言ったヘルスケア製品を展開する企業だ。 オムロンヘルスケアでは、Anaplanを活用し、これまで拠点ごとに分散管理されていた在庫管理をグローバルで集中 管理する体制へと移行することに成功。新型コロナウィルス感染症によるパンデミックによる混乱の中でも過去最大 の売上を達成し、その後も順調な成長を続けている。また、部門ごとにサイロ化された機能やデータを連携し、経営 管理の領域においてもAnaplanの活用を進めている。
Anaplanで全体最適のオペレーションを実現していなければ、限られた商品の配分をグローバルに最適化できず、コロナ禍のビジネスはより混乱していたと思います。
在庫管理の一元化により、過去最高益を達成
市場在庫可視化率75%を実現
SKU最適化の取り組みにより、SKU数25%削減
オムロンヘルスケアは、海外売上比率が84%と非常に高く、主力製品である血圧計は世界シェアの50%を占める。
「海外でのビジネスの拡がりや、オンライン販売など既存の店舗以外の販売チャネルが増えたことで、ビジネスが複雑化していました。そのため、グローバル全体の状況を本社側で捉え、集中的に管理する体制を実現すべきだと考えました」とコーポレート経営変革本部本部長の井沢晃将氏は語る。
同社は、2018年にそれまで拠点ごとで管理されていた部品・商品在庫を本社で集中して管理する体制に移行した。その後、コロナ禍の影響により同社でも半導体をはじめとする部品の不足、物流の遅延、工場のロックダウン、リードタイムの長期化といった問題に直面。さらに、全世界的に健康意識が高まったことでヘルスケア需要が拡大し、血圧計や体温計などの供給が間に合わないという事態に発展していった。
「パンデミック発生時には集中在庫管理の体制に移行していたため、必要なエリアに必要な在庫を配分できました。Anaplanで全体最適のオペレーションを実現していなければ、限られた商品の配分をグローバルに最適化できず、コロナ禍のビジネスはより混乱していたと思います」
結果として、同社では全世界でビジネスが混乱していた2020年に、過去最高益を達成している。
グローバルの在庫管理から始まった同社の変革は、2020年には流通在庫やセルアウト状況を把握して市場の可視化を実現。また、パンデミックでインパクトの大きかった生産においても、生産キャパシティの可視化や部品在庫管理の変革を推し進めた。
「データを取り込みながらオペレーションを最適化していくというAnaplanを活用したサプライチェーン管理の取り組みとガバナンスの統一を、5年程かけて少しずつ拡大していきました。このようにエンドツーエンドでサプライチェーンの管理を進めていくと、多くの課題が浮上しました。
例えば、パンデミックで需給のバランスを保つことが難しくなると、どのSKUにどれだけの部品を供給すべきかといった意思決定が必要になります。そもそもこんなにSKUが必要なのかという話になることもありますが、ひとつのSKUには開発部門や生産部門など多くの部門が関わっています。つまり、事業貢献が小さいSKUが全社的なロスに繋がっているのではという疑問に繋がります。こうしてSKUポートフォリオを最適化する商品ライフサイクルマネジメントの取り組みに発展させていきました」
さらに、同社は経営管理の領域においてもAnaplanを活用している。SCMの領域である需給調整や在庫最適化といった数量管理を実現したことで、経営から需給のギャップによる具体的な影響などが質問がされるようになったことから始まった。
「経営部門の要望から金額ベースで事業インパクトを可視化できるようにし、次にファイナンス部門が作る予算・四半期プロセスとの統合も行いました」
製造業において、SCMは全社的な課題を特定し、経営部門と連携することで変革を推進する役割を担えると井沢氏は語る。
「会社には営業、開発、生産などさまざまな機能があり、部門ごとにさまざまな課題を抱えています。しかし、組織が大きくなるにつれて部門ごとに縦割の構造になってしまうため、全社的な課題を把握しにくくなってしまいます。一方、SCM部門はエンドツーエンドで現場の情報を把握していますし、オペレーションの知識もあります。そのため、SCMが経営管理と連携して経営課題を特定すれば、全社課題を解決していくことができると考えています」
このようにSCMからはじまり、経営、ファイナンスなど部門を超えて取り組みを実現するにあたっては、部門ごとにサイロ化された機能やデータをAnaplanによって連携できたことが大きいと井沢氏は語る。
「SCMに適したツールや経営管理に適したツールなどは沢山ありますが、Anaplanはさまざまな領域で使うことを前提としていることが、他のソリューションとは違うと感じています。複数の計画の取り組み状況を見ながら戦略を進化させやすい面を活かし、部門を超えて全社で変革を起こすことに適したツールだと言えるでしょう」