Zillow Group 社の従来の報酬システムは、旧型で手作業のプロセスも多く、非常に使いづらいものでした。営業部門のマネージャーや現場スタッフをはじめ複数の部署でも使いづらさを感じていました。実績を追跡したり、共有したりすることは難しく、過去のデータや分析結果を集めてまとめ上げることも困難でした。さらに、従業員の情報に変更があると、複数の場所に手作業でデータを入力していました。こうした非効率的なプロセスでは、新しい商品やカテゴリーの増加に対応できませんでした。
「プロセスを自動化する時が来ていると思いました。スムーズな業務運営が必要だったのです」と金融営業部門でディレクターを務めるカレン・ハン氏は言います。
Zillow Group 社は、インセンティブ報酬管理に Anaplan を導入しました。ハン氏が率いるチーム、そして、同部門のシニア アナリストであるブランドン・カウチ (Brandon Couch) 氏がこの導入を担当しました。そこでは報酬管理用のモデルを複数作り、社内の HRIS システムとの統合プロセスを計画し、営業部門用に売上進捗レポートや目標設定モジュールを自動化しました。また、ハン氏とカウチ氏はさまざまな職務向けに、詳細なトレーニング教材と資料も作成しました。
重要なクラウド間の統合には Boomi を使い、Zillow Group 社の Salesforce インスタンスと Anaplan データ ハブをつないでいきました。以前は、Salesforce 上で入力、管理されるトランザクション データが Zillow の計画に反映されるのは週に 1 度でしたが、現在では、グループによっては 20 分ごとに反映されるようになりました。おかげで、営業部門の社員やマネージャーも、売上やパフォーマンスをリアル タイムで確認できます。また、セルフ サービスで使えるダッシュボードにより、どの部門の関係者も情報を簡単に得られるようになりました。営業担当者は、売上進捗レポートや目標設定機能を使うことで、常に先を見越した計画を立てることができます。その結果、社員の満足度と生産性は高まり、営業マネージャーは詳細な情報を得られるようになり、ハン氏とカウチ氏は管理業務ではなく付加価値の高い仕事に時間を充当できるようになりました。
「関係者全員が同じデータを見られるようになりました」とハン氏は説明します。「正確な数字を探し出すために貴重な時間を費やす社員は今では一人もいません」
新しいソリューションの導入を検討する上でハン氏とカウチ氏が重視していたのは、コラボレーション、透明性、自動化、そして柔軟性という 4 点のポイントでした。コラボレーションが可能なシステムとは、営業部門のリーダー、財務、HR、分析、セールス オペレーションといった関係者全員が、迅速かつ効率的に意思決定を行える意味のあるデータに単一のプラットフォームからアクセスできるシステムです。透明性とは、適切なアクセス権管理の下で、現在および過去のデータを利用できることです。自動化については、あらゆる計画タイプを正確に計算に反映し、それらを適切な役割に割り当て、適切なすべての場所にデータを転送できることが基準でした。柔軟性については、会社の成長スピードに遅れをとることなく規模を拡張できるスケーラビリティが重視されました。そして Anaplan だけが、すべてを満たしていたのです。